昨年の初登場に続き、ほのカルテットの皆さまが登場です。ピアノの大山桃暖さんと中瀬智哉さんによるフレンドリーな自己紹介と曲紹介が会場を和ませたのも束の間、赤を身にまとった岸本さんの悲劇を予感させる痛切なヴァイオリンが響くと、爽やかなアトリウムの空気が重たく一変。19世紀の作曲家フランクの音楽に、21世紀の満員の観客が一気に引き込まれました。
大山さんのピアノとストリングスが重たく美しく響き渡り、主題が中頃にひときわ熱く繰り返されると、会場が更なる切迫感と興奮に包まれました。ピアノを中瀬さんに引継ぎ、第2楽章は内省的な岸本さんのヴァイオリンと、厳かに、時に甘美な中瀬さんのピアノが胸を打ちます。長田さんのヴィオラが時折ふわりと引き立ち、林さんのヴァイオリンと蟹江さんのチェロが優しく見守るように寄り添っていました。
そして第3楽章、岸本さんと林さんが勢いよく交互に繰り出すヴァイオリンに息を呑んだらあとはあっという間。終演の瞬間に緊張から解かれた客席は、拍手をするのを一瞬忘れるほど。
ほのカルテットの皆様によると、メンバー全員が初めての曲とのこと!息の合ったスリリングでドラマティックな熱演に会場も大いに沸きました。
(レポート:寿すばる)
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