夕方のアトリウムに登場したのは、山崎夢叶さんと原田怜さん。まずは山崎夢叶さんによるショスタコーヴィチの「24のプレリュードとフーガ」より第2番、そしてショスタコーヴィチが影響を受けたというバッハ=ブゾーニの「シャコンヌ」を、誰もが固唾を飲んで聴いていました。吹き抜けの天井いっぱいに、けれどどこまでも深く響きます。荘厳な美しさを持つ山崎さんの演奏は、アトリウムを完全に支配していました。
続く原田怜さんは、淡くやさしくフォーレ=ボニスの「月の光」を演奏された後、ドビュッシーの「喜びの島」、ブラームスの「ハンガリーの歌の主題による変奏曲」と、作曲家自身の憧れをテーマに構成されたプログラムを披露。水面に浮かぶ煌めきを纏ったようなピアノは、アトリウムに皓々と染み渡ります。平和への憧れを胸に、最後に演奏された「羊は憩いて草を食み」が響くアトリウムは、祈りに満ち満ちていました。若き二人に惜しみなく送られたあたたかな拍手は、これからの活躍を後押しするようでした。
~演奏者のコメント~
♪山崎夢叶さん:いつもホールで感じている響きとは違う、普通の生活している中で、どういう風に響きを出そうかなと考えるのはすごく楽しかったです。ピアノもすごく弾きやすくて、会場にとらわれない演奏が出来たかなと思います。
♪原田怜さん:響きの良いこのような場所で、たくさんのお客さんに聴いていただけたことがすごく幸せでした。
(レポート:小原遥夏)
新着ニュース