桐朋の先輩後輩の間柄という原嶋唯さん、三原未紗子さんのおふたりによるラヴェルです。
原嶋さんは「クープランの墓」からの3曲。揺蕩う花の香りのように美しいプレリュード、かつてクープランのいたヴェルサイユ宮殿が目前に広がる快活で華麗なリゴドン、そしてトッカータの連打の技巧とハープのように流麗なタッチとのシームレスな共存。
終演後には、開放的な空間がラヴェルにとてもマッチしていて嬉しい驚きがありました、と幸せそうにお話してくださいました。
「気軽に立ち寄れる場所でクラシックを届けられるこの環境がずっと続いて欲しいです」とお話してくださった三原さんは『鏡』からの2曲を熱演。
MCで『悲しき鳥たち』について、迷子になる鳥たちは鏡に映ると人間で…という話を知ってからイメージや弾き方が変わった、とのお話が。停滞感の中から輝く音が立ち上がると、アトリウムが孤独な都会の不安や疲れを癒す救いの場所のように感じられました。
続いてスペイン調のリズミカルな『道化師の朝の歌』を情熱的に華麗に弾ききると、おふたりに満員の客席から大きくて長い長い拍手が送られました。
(レポート◎寿すばる)
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