風薫る5月の丸の内オアゾに、稲沢朋華さんと柴田陽人さんがショパンの楽曲を演奏。まずは稲沢さんが「バラード第2番」を披露。静寂の中で鳴るユニゾン、穏やかな第一主題、そして嵐のように激しい第二主題のコントラストが繰り広げられました。続く「スケルツォ第1番」では緊迫感がさらに増し、会場中が息を潜めてその演奏に耳を傾けました。
後半に登場した柴田さんは、パキッとした音で「マズルカ風ロンド」そして「バラード第4番」を演奏。ポーランドの民族舞踊であるマズルカの雰囲気を持った可憐なロンドの後、穏やかで、けれど陰鬱さも孕む叙情的なバラードが会場に響き渡り、ひたむきに音楽に向き合う2人の未来を照らすかのような、あたたかな拍手が送られました。
~演奏者のコメント~
♪稲沢朋華さん:毎年聴きに来ていたこの舞台に、まさか自分が演奏者としてピアノを弾けると思っていなくて、お話が来たときは本当に嬉しかったです。今日、実際にお客さんを目の前にして、一緒に音楽を楽しむとなった時に、やっぱりお客さんがいてこその音楽家だなと思いました。あたたかい雰囲気に、ありがたいの一言です。
♪柴田陽人さん:普段はホールで弾くことが多いので、こういう慣れない場所での演奏はいつもより緊張しましたけど、昔からこの舞台で弾くのが夢だったので、楽しんで弾くことができました。
(レポート◎小原遥夏)
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