コンサート

ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2025 LFJエリアコンサート@丸の内 「ショパンをたどるメモワールⅣ ~青春の輝き、協奏曲第2番~」安井友理(p)三林飛鳥(p)タクティカートオーケストラメンバーによる弦楽五重奏(str)

開催レポート

明治安田ヴィレッジにタクティカートオーケストラのストリングスの皆さんが登場。ピアノは新丸ビルでも観客を魅了した安井友理さん、三林飛鳥さん、2011年生まれのフレッシュなおふたりです。

第1楽章のピアノは安井さん。「ショパンのピアノコンチェルトは(開催中のショパンコンクールでも弾かれる)憧れの曲」と目を輝かせていました。シリアスなストリングスが会場をショパンの深層へと惹き込み、息の深い清らかなピアノが凛々しく、時に痛切に響き渡ります。フルオーケストラでは目立って聴こえることの少ないヴィオラやコントラバスの音色も鮮明に聴こえてきます。調和のとれたハーモニーが自然に進み、第1楽章の終わりは堂々と音楽が満ちるのを感じました。

第2楽章からは、協奏曲はほぼ初めてという三林さん。淡いストリングスの風景の中、真珠色の砂糖菓子があふれるようなときめきをピアノが放ちます。時折現れる消えそうなほどの美しい弱音に息を潜めて聴き入りました。第3楽章、憂いと熱が入り混じるピアノは次第に夢のような愛らしさで弾みだし、鮮やかなピアノのパッセージに続くヴィオラの合図で、華やかに盛り上がり締めくくられました。最後の合図はオーケストラではホルンのパートで、終演後に「室内楽版は他のパートの分も弾くので忙しいですが楽しいです」とヴィオラの堀竹さん。

みずみずしい快演に拍手が鳴り止まず、安井さんと三林さんは少し照れながら何度もカーテンコールに応じていました。

(レポート:寿すばる)

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