メンデルスゾーン:厳格な変奏曲 Op.54 U 156(大山)
R.シューマン:色とりどりの小品 Op.99 より3つの小品(深津)
ブラームス:ピアノ・ソナタ 第3番 ヘ短調 Op.5 第5楽章(深津)
◆メッセージ◆
「オリジン(起源、ルーツ、伝統)ーこのテーマにふさわしい曲は何だろうと考えた時、私は以前より勉強してみたいと思っていたメンデルスゾーンの「厳格な変奏曲」がぱっと思いうかびました。
メンデルスゾーンは彼以前の作曲家を尊敬しよく勉強していて、とりわけ音楽の父J.S.バッハの影響を受けています。彼の音楽は複数層の旋律でできていて過去の音楽を基盤としたつくりになっています。また彼の作品は古典期の形式にロマン派の旋律、バロック期の対位法を使っています。伝統を守り引き継ぎ敬意をはらっていて、まさにこのオリジンというテーマにぴったりだと思い、迷わず彼の最高傑作とされるこの曲を選曲しました。
今回、私が先に曲を決めさせていただき、それに合うように深津天馬君がシューマン、ブラームスという素晴らしい流れのプログラムを考えて下さりました。メンデルスゾーンとシューマンは友人。シューマンとブラームスは師弟関係。同じ時代を生きた3人の作曲家のつながり、作曲家による曲の作り方の違い、キャラクターの違いなど、各々の感じかたで楽しんでいただけたらと思います。
今回LFJ丸の内エリアコンサートの舞台にたてること、また深津天馬君とご一緒できること、大変嬉しく光栄に思います。どうぞよろしくお願いいたします。」
(大山桃暖)
「今年のLFJのテーマ「ORIGINES」とのことで、なにか起源や潮流を感じられる曲目を考えたいと思いました。
大山桃暖さんとのジョイントコンサートで、大山さんがメンデルスゾーンを弾かれるとききました。
そこで私は、「ORIGINES」「潮流」を感じられるよう、メンデルスゾーンと友人であったシューマンの小品と、シューマンの弟子であったブラームスのソナタを組み合わせたいと考えました。
今回、シューマンの作品99である「色とりどりの小品より3つの小品第1、第2、第3曲」と、ブラームスの作品5である「ピアノソナタ第3番第5楽章」を演奏いたします。
シューマンの「色とりどりの小品より3つの小品」の自筆譜には「愛する花嫁(クララ)に寄せて」と書かれており、それぞれの曲に「リート」「ロマンス」「狩の音楽」という表題がついているそうです。短くても会場を一瞬にしてシューマン色に染められる作品だと思います。
ブラームスの「ピアノソナタ第3番」は、今年3月のピティナの入賞者記念コンサートでは第1楽章を弾いたので、LFJ丸の内コンサートではその最終楽章である第5楽章を演奏したいと考えました。このピアノソナタ第3番は、師であるシューマンの指導を受けた最後のブラームス作品として知られています。作曲当時20歳だったブラームスの情熱あふれる大作を、現在16歳の私は、青臭いからこそ引き出せる「若さ」も含めて精一杯表現したいです!」
(深津 天馬)