最終日のTOKIAはLFJ2025のテーマに合わせて飯田有抄さんとロシア旅行!ゲストピアニストは倉田莉奈さんです。こどもの日なので倉田さんのお腹の赤ちゃんも参加します♪と飯田さん。アットホームな雰囲気に会場も和やか。
初めはリャードフの可愛らしい『オルゴール』。金平糖のような可愛い音が規則正しく次々飛び出します。続いてキュイ。慈しみ深い弱音から熱いフレーズまで全てが芳しく優美でした。
12ヶ月の詩を音楽にしたチャイコフスキーの『四季』からは3曲、詩の朗読(日本語訳:倉田さん)とピアノをセットでお届け。ロシアの5月は氷の融ける様子や土の大地、6月の舟歌は水の気配のする夜の音、7月は生命力みなぎる人の営み…チャイコフスキーの描写センスと倉田さんの音の解像度の高さに、四季折々の景色が浮かび上がります。
「もっと演奏されて欲しい」と飯田さんが熱望するのはタネーエフ。ボロディン作品とラヴェルのボロディン風を続けて聴けたのも貴重な体験かもしれません。名残惜しくも終わりが近づき「かわいらしい小さな箱に詰めたような曲をたくさん弾くことができて幸せです」と倉田さん。
旅の終わりは、浮遊感と残響が美しいスクリャービンと、歌心たっぷりのラフマニノフ『ひなぎく』でした。会場が終始穏やかな多幸感に包まれた、思い出に残る素敵な公演となりました。
(レポート◎寿すばる)
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