若き才能がショパンの「スケルツォ」に挑む本公演は、八尋さんによるワルツ2曲の演奏から幕を開けました。「ワルツ第6番」は子犬が転がるように軽快に奏でられ、「ワルツ第7番」では、哀愁ただよう深みのある音色が会場に響き渡りました。
ここから、3人のピアニストがスケルツォに1曲ずつ挑みます。
まず田口さんが奏でた第2番は、激しさと静寂が目まぐるしく入れ替わり、その起伏が鮮やかなグラデーションとして描き出されました。
続いて、八尋さんによる第3番の演奏。低音が不穏な空気を醸し出し、煌びやかに奏でられる高音との鮮烈なコントラストが繰り広げられました。
プログラムの最後を飾ったのは、岡部さんによる第4番の演奏。これまでの2曲とは対照的に、明るく機敏な旋律が印象的で、躍動感ある音が会場に解き放たれました。
終演後、響きの良い環境での初めての演奏を楽しめたと語った3人へ、惜しみない、そしてこれからの活躍を心から応援するかのような温かい拍手が長く続きました。
(レポート◎飯島帆風)
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